2023声楽発表会

時系列的にここに入れないと進まないので、久々に声楽の話です。

乳がんの治療記にも書いていますが、この発表会に出るかどうかは、結構迷いました。8月中にしこりが見つかって検査を重ね、9月の頭にはガンの告知を受けたわけで、この間、どうしても練習に身が入らず、いつもならとっくに全部暗譜しているのに進まない状況でした。

でも、やはりここで出ておかないと治療中コンスタントにレッスンが受けられるとは思えないし、次回があるかどうかもわかりません。せっかくなので、思いっきり歌ってから、治療に入ろうとはっきり決めたのが本番の二週間くらい前でした。

とりあえず、ソロ曲の「あたりは沈黙に閉ざされ（ランメルモールのルチア、第1幕のアリア）」については、レッスンを始めてからかなり時間が経っていたこともあり、元々7割くらいの暗譜はできていたので、こちらは暗譜で、二重唱「手紙の二重唱（カルメン第1幕）」については暗譜を諦め、楽譜を見て歌うことにしました。

ただ、ルチアの最後の部分、バリエーションがどうしてもきちんと決まらず、ピアノ合わせを2回したものの、2回とも違う内容になってしまったのが気がかりでした。ラストのHi-Dも続けて歌うとほぼ出ない感じだったし（そこだけ取り出せば出るのですが…）。

当日はいつものようにリハーサルの順番が一番で、その時は歌詞が何箇所か飛んでしまったのと、やはり最後の部分、もう少しゆっくり時間を取りたいと思い、ピアニストの先生に、ラストに入る前、こちらが入る準備ができるまで、トレモロを続けて弾いてほしい、とお願いしました。（ラストは、トレモロを1小節弾いたところで入ることになっていました。）そうしたら、「何小節でも弾きますよ」とおっしゃってくださったので、そのつもりで本番に臨みました。

ルチアは、とりあえず歌詞が飛ぶこともなく、自分としてはまぁまぁ落ち着いて歌えました。

ただ、やはり問題は最後のバリエーションです。ラストに向けて、極力シンプルにしたところ、ピアノ合わせで複雑なメロディーを歌っていた部分で、ピアニストの先生が結構溜めて待ってくださったりして、少し間延びしてしまいました。まぁそれは良いとして、やはり、直前の打ち合わせではうまく意思疎通ができておらず、「何小節でも弾く」と言っていただいたトレモロ、1小節で歌のフレーズに入ってしまいました。私の方は当然準備ができていなかったので、もうそこは歌わず、ラストのHi-Dに賭けたのですが…、出ませんでした（汗）。結果、Hi-Cバージョンで誤魔化しましたが、この歌をご存知の方には、おそらく失敗、と思われたことでしょう。

とはいえ、そこまで有名な曲ではないので、聴きに来てくれていた友人たちには概ね好評で、その点は良かったと思います。

休憩を挟んで、また2部の終わり近くで二重唱です。

最近は、二重唱の暗譜ができずに楽譜を置くことが多いのですが、半端に楽譜があることで、逆にうまく入れなかったり歌詞が読めなかったりするんですよね。

今回も、1～2箇所、うまく入れないことがありました。まぁ、フランス語ですし、歌詞は適当でも先生方以外は気づかなかったと思います。それより、以前はハモリがあると歌そのものが崩壊しかねなかった二重唱が、ここ数年はそれっぽく歌えるようになってきて楽しめるようになったのは良かったです。

この発表会をもって、声楽のレッスンはしばらくお休みすることにしました。体調が読めないということが一番ですが、片道徒歩40分もちょっときついかな？、と。ひょっとしたら、単発で入れてもらうことがあるかもしれませんが、しばらくは治療に専念します。

この日は打ち上げに2次会まで参加し、門下の皆さんとはしばしのお別れ。来年は発表会には参加できないと思うけれど、打ち上げくらいは出られたらいいかな。また戻ってきたいものです。