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手術開始から2日目終了まで~乳ガン治療記53

手術室の入口を入ると、そこで改めて氏名と生年月日、そして、手術部位の確認をされます。そういえば、ごくたまにニュースで、違う部位を手術されてしまった話がありますもんね。

ここで手術中にかぶる不織布のキャップを渡され、「帽子の上から被っていっていいですよ」と言われました。

そこからさらに自動扉を通り抜け、歩いて該当の手術室に向かいます。長い廊下の右側に、手術室がたくさん並んでいました。さすが大きな病院ですね。

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手術開始まで

「手術室3」と書かれた扉から入ると、真ん中に手術台があり、すでに多くのスタッフが動いていました。

歩いて手術台の側まで行き、靴を脱いで上がり、横になります。ここで、メガネと、キャップの下の帽子を外されます。他にも、手術着をはだけたり、血圧計を巻かれたりと、まな板の上の鯉状態でいろいろ準備が進みます。

しばらくすると、麻酔科の先生から、「これから麻酔が入ります。温かいですよ」と声がかかり、温かい液が腕から入ってきたな、と思ってしばらくすると意識が無くなったようでした。

手術終了後

気付いたときには「手術終わりましたよ」という女性の声が聞こえ、目が開くと天井の照明が見えました。

そのまま寝ていたベッドが動いていき、長い廊下を進んでいくと夫の顔が見えました。

意識はあったのですが朦朧としていたようで、よくわからないうちにエレベーターに乗せられ、「ご主人はここまでですよ」という声が聞こえて、さらに進んで「お部屋に着きましたよ」という声で動いていたベッドが止まりました。

そして、酸素マスクをセットしたり、ナースコールのボタンを握らせてくれたりすると、みんな部屋から出ていきました。

途中、どこのタイミングだったか忘れましたが「今何時ですか?」と近くの方に聞いたところ「お昼ちょっと過ぎです」と言われました。手術は3時間程度だっだようです。

部屋に戻ってから

体は全然動かないので、そのままウトウトと寝てしまったようでした。

しばらくして執刀医の先生が枕元に来てくださって「痛みはどう? 夕飯は食べられそうかな?」と聞いてきましたが、まだ体は全然動かない時だったので「ちょっとわかりません。腋の下が少し痛いです」と言ったら「まだ無理そうだから明日の朝からにしようか」ということで夕食なしになってしまいました。「ジュースとかは飲めたら飲んでいいからね」とのことでしたが、人がいなくなった途端に眠ってしまったようでした。

この時に、「リンパ節は3個調べて大丈夫だったから他は取ってないよ」とも言われました。腋の下が少し痛かったので切ったのかと思いましたが、傷はそこにはなくて、調べる際に3つ取ったので中の痛みだったようです。

またしばらくして気がつくと、酸素マスクが汗ですべって落ちてしまいました。そして、かなり暑いことに気づきました。左手を動かしてマスクを戻そうと思いましたが、左腕には血圧計のカフが巻き付いているし、点滴もつながっていて、うまく動きません。(後で考えると単純にまだ麻酔が抜けていなくて動かなかったようです。)なので、ナースコールをすると、看護師さんが来てくれました。

マスクを戻してくれて、「メガネがないと時計も見えないんですが」と言うと、メガネを持ってきてくれ、「とても暑いです」と訴えたら、暖房を消してくれました。また、左腕に巻いてあった血圧計のカフも外してくれたので、多少身軽になりました。

やっと見えた時計を見るともう2時をだいぶ過ぎていたので「主人はもう帰っちゃいましたか?」と聞くと「そういえばご主人まだ見えませんね」とのこと。

それなら、電話してみようかと思ったのですが、スマホを始めとした貴重品はすべて、鍵付きの引き出しにしまってあるので「引出しの鍵はどこですか?」と聞くと「今持ってきますね」と言って出ていったきり、30~40分戻ってきませんでした。

とは言え、この時間はずっと麻酔がまだ残っていて、断続的に眠っていたので、次に気付いたときには寝返りが打てるようになっていました。

麻酔が抜けて

寝返りを打って、足もだいぶ自由に動く様になった頃にはのどが渇いてきたのと、面会時間も限られているので、再度ナースコールをして、鍵を持ってきてもらいました。

その際に、体がだいぶ動けるようになったので、歩けるかどうかのチェックをされました。無事に歩けて、その場でトイレにも行けたので、一段落、ということでした。

その後夫に電話すると、ロビーで待っているとのことだったので、先にコンビニに寄ってスムージーとゼリー飲料を買ってきてくれるように頼みました。冷蔵庫は有料で使う気にならないので、その日に飲める分だけ、ということで。

夫がやってくると、早速スムージーを一気飲み。ゼリー飲料については、看護師さんは「先生に確認してみてください」ということで保留。

夫とは、手術前後の話をしました。先生から手術後に取ったものを見ながら説明を受けたそうです。朝から一日付き合ってもらって申し訳なかったなと思います。

夕方5時過ぎ頃に再び執刀医の先生がやってきましたが、その頃にはすっかり元気になっていたので、先生もびっくりして「夕飯食べられそうですか? だったら間に合うか聞いてみますよ」と言ってくださいました。「もし間に合わなかったら、ゼリー買ってあるんですけど食べていいですか?」と聞くと「もちろんいいですよ」と言われました。

結局、食事の指示は間に合ったようで、前日より少し遅れて夕飯がやってきました。時間が遅れたせいか少し冷めていましたが、24時間ぶりの食事なので美味しくいただきました。それどころか、足りずに後でゼリー飲料も飲んでしまいました。

その後、手術室にいた他の先生方、若い外科の先生方が何人かやってきて、「手術お疲れさまでした」と声をかけてくれました。後で知ったのですが、この方々が毎朝夕いらっしゃるのが「回診」だったようです。いわゆる医療ドラマの「回診」とは全然イメージが違うので面白いです。ちなみに、執刀医の先生は私より年上のベテラン先生なのですが、外来の前後や手術の前後に、単独でフラッと顔を出してくださいます。

点滴終了!

食事の後で点滴が一本終わったので交換するのかと思いきや「お食事が始まったのでこの後の点滴はキャンセルになりました」とのこと。ただ、翌日もやらないのかはまだわからないのでルートは確保したままということで、またコードをくるくるまとめてネット包帯で固定していました。

点滴が抜けたので、それまで着せられていた浴衣のような寝間着からパジャマに着替えられるようになり、少しさっぱりしました。でも、考えてみたら手術着からこの寝間着にはどうやって着せ替えたんだろう? 袖が通っているから一旦点滴外したのかな…?

この日もナイター中継を見てから、9時を回ったので自主的に消灯して、寝ながら読書をしていたのですが、10時過ぎ、いやもっと遅い時間だったか、突然看護師さんがやってきて、「お休み中ごめんなさい。点滴、もうしないみたいなので針、抜きますね」と声がかかりました。

寝ていなかったので別に良かったのですが、消灯時間をとっくに過ぎたこんな時間に来るんだ?とちょっと驚きました。後で夫に聞いたら「個室だからなのか、時間に関係なく急に来ることがあるよ」と言っていました。

とにかく、早々と点滴の針が抜けたので、ますます体はラクになり、しばらくして寝入ってしまいました。

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