毎年恒例の「METアンコール上映」で、ヘンデルの「ロデリンダ」を観てきました。なんか、ヘンデルづいていますね。
こちらは2011年の暮れに上演されたものです。
あらすじなど
7世紀の北イタリア、ランゴバルト王国。ミラノ王ベルタリードの妃ロデリンダは、夫が戦に敗れて亡くなったと聞いて悲しんでいる。新王グリモアルドはロデリンダとの結婚を望むが、彼女は受け入れない。だが死んだはずのベルタリードがロデリンダの前に現れ、再会を喜んだのもつかの間、グリモアルドに見つかってしまい死刑を宣告される。引き離される間際に、今生の別れと思った二人は愛を誓うが・・・。 今、欧米でいちばん「旬」なオペラ作曲家、それがヘンデルだ。古楽ブームに乗ってバロック・オペラの得意な演奏家が増え、ヘンデルの華麗な魅力が再発見されている。中世の北イタリアを舞台に、愛と欲望がせめぎあう《ロデリンダ》は、ヘンデルの最高傑作のひとつ。METの女王R.フレミングの希望により、2004年にS.ワズワースの演出でMET初演された。そのプロダクションが、待望の再演となる。世界最高のカウンターテナー、A.ショルにも注目したい。歴史絵巻を飾るバロック風の衣装も見もの!
上記公式サイトより
感想
ヘンデルのオペラは時代読み替えモノが多いのですが、この演出はほぼ設定どおり。衣装も当時風でいい感じです。
少し前に予習のため、別の演出のものを観たのですが、正直よくわからなかったストーリーが、実によくわかって面白く見られました。まぁ、もちろんオペラなので、ストーリー的にはツッコミどころ満載ですが、見た目も音楽も良かったです。歌手の皆さんも粒ぞろいだしね。
合唱のない、ソリスト6人(+ロデリンダの息子役の少年/黙役)だけで進むオペラです。そして、ダ・カーポ・アリアの嵐(笑)! もう少し後の時代なら重唱で掛け合っていくような場面でも、ひたすら一人で歌います。しかも同じ歌詞! でも、ちゃんと周りも本人も演技して、場面は進んでいるので、飽きることはなかったです。
幕間のインタビューで、「同じ歌詞の繰り返しが多いけれど、そこに説得力を持たせるには?」みたいな話が何人かから出ていましたが、「場面が進んでいるのでその状況に合わせて意味が変わる」ようなことを言っていました。なるほど、私などは「覚える歌詞が少なくてラク」くらいにしか思っていませんでしたが、オペラの中ではちゃんと意味を持たせていかないといけないわけですね。私も本番までにもう少しちゃんと歌詞を理解しよう。あと、繰り返し部分の装飾についても話題になっていました。そういう意味では勉強になりました。
それにしても、ルネ・フレミングって美魔女ですよね。当時でも50歳は過ぎていたと思うけど、実に若々しいです。あの小さな少年のお母さん、と言われても納得するくらい。そして、その少年が、歌詞もセリフもないのだけど、実に可愛らしい。カーテンコールでも人気を集めていました。
終わりに
METはこの頃からたびたびバロックオペラ(というかヘンデルもの)を上演しています。その後も「ジュリオ・チェーザレ(ジュリアス・シーザー)」や「アグリッピーナ」などをやっていて、そちらはリアルタイムで観ていますが、どれも面白いし、演出が工夫されていて、曲を知らなくても楽しめます。今後も上演されるようなら別の演目も観てみたいですね。
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