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オペレッタ「こうもり」at杉田劇場

スロバキア国立歌劇場オペラ2012「オペレッタ こうもり」を観てきました。

と書くとなんだか立派なオペラで高そうに聞こえますが、場所は定員300名の横浜・杉田劇場、価格は3,500円(当日券4,000円)というリーズナブルな公演でした。

実際、オーケストラは無くてピアノ伴奏、出演者はソリスト7名+ピアニスト+ナレーターのみという構成です。

ピアノ伴奏で抜粋版のオペラというと、先日自分が出演した「フィガロの結婚」がそうですが、それ以上に簡易な公演でした。

だからと言ってつまらなかったと言うことはなくて、ソリストの歌はみんな素晴らしかったし、皆さん芸達者でとても楽しかったです。まぁ、これも一応すべて揃った完全版を観たことがあるから、だとは思いますが。

前半は「こうもり」とは関係なく、いろいろなオペラのアリアや二重唱を続けて歌うガラ・コンサート形式で、後半は、「こうもり」ですが、これも、お話の流れはナレーターが担当し(なんとスロバキアの方が日本語で!)、場面場面をつないでいく、というものでした。

歌やお芝居はとても良かったのですが、人数が少ないので状況設定にどうしても無理があるのと、合唱もバレエも、大道具の交換もないのはやっぱり少し寂しかったです。

この公演は、主催者の方(個人の方だそうです)が、日本におけるオペラ公演の現状を憂いて(西洋の猿真似なのに料金の高い国内オペラか、庶民に手の届かないブランド歌劇団しかない)、「本物のオペラ」を庶民が気軽に楽しめるようにと始められたそうです。実際、この日もほぼ満席でした。

その主旨は良くわかるのですが、仰っていたことはちょっと極端かなぁ。最近の日本のオペラも必ずしも猿マネとばかりは言えず、歌唱力・演技力を兼ね備えた方も増えていますし、海外の引越公演にしても、東欧の歌劇団の地方興行などは、席を選ばなければかなりリーズナブルな価格でそれこそ「ホンモノ」のグランドオペラが鑑賞できたりするんですよね。

私も、地元のホールでオペラの引越公演があればなるべく行くようにしていますが、いつも満席です。正直、今回の公演だったら、以前に地元で見た完全版の「こうもり」の方がコストパフォーマンスは高かったかなぁと。やはり、オペラは総合芸術ですから、オーケストラ、合唱、バレエと揃ってこそ、本物かなぁとも思いますし。

でも、これはこれでとても楽しかったです。特に、最後にアンコールでバリトンの方が歌ってくださった「いとしのエリー(日本語版)」が素晴らしかった。一番感動したかも。

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