「イグアナの娘」第三話

ひょっとして最近「イグアナの娘」のことしか書いてない?

はまり度が高いので、つい放映当日に見てしまう。というわけで、第三話。

初めて、リカの笑顔がたくさん見られた。

「リカの受験をやめさせる。できれば家に閉じ込めておきたい」というゆりこに、父は「一人で抱え込まないでほしい」と言い、リカには、母が自分と会う前の記憶がなく、身寄りもないことを初めて話す。翌朝リカが晴々とした顔で「お母さんの言う通りにする。大学も行かない」と母に告げると、今度は母も「もう何も言わない」とリカの受験を許す。

この辺の気持ちのやりとりが複雑。母はリカを自分のものだけにしておきたいのだろう。リカのことが可愛くない、愛せない、と言いながら、実は一番独占したいのが母。この母は実はイグアナの化身という設定だから、娘がイグアナに見えるのは「自分のイヤなところがそっくり」という意味なのだろうか。

三上と一緒にお弁当を食べながら、受験を許してもらったことを話すリカ。今度の連休に一緒に清里に行こうと言われ、今までそんな友人のいなかったリカは舞い上がってしまう。二人であれこれ楽しそうに、その日帰り旅行の計画を立てているのを、かをりが見ている。その頃マミは昇に連休の予定を聞くが、あっさり「練習」と返され、一緒にいられると喜ぶ。

いきなり清里小旅行なんて、両親、特にゆりこが許すのかと疑問に思っていたら、あっさりOK。しかも「お小遣い、あるの?」と優しい言葉。ちょっとびっくり。おまけに、マミは気前良く服まで貸してくれる。なんかおかしな雲行き。

休みの日の朝、三上と二人で清里へ出かけるリカ。その頃、練習に行く途中の昇をかおりがつかまえ、リカの自殺のことを話してしまったことを謝り「青島さん(リカ)にも謝らなくちゃ」と殊勝なことを言い出す。絶対何か裏がありそう。その後「一生のお願いがあるの」。やっぱり。

清里で三上と楽しく過ごすリカ。笑顔がすごく可愛い。本当に生まれて初めて、こんなに楽しい時を過ごしているんだなぁ、と感じさせるような、明るい笑顔に、なんだかまた胸が熱くなってしまう。そして「一緒に写真撮ろう。誰かにシャッター押してもらって」と話している二人に「押してあげましょうか」という声。かをりだった。「偶然ねぇ。(←嘘ばっかり!)」空気一変。今まで明るかったリカの表情が曇る。三上も絶句。

その頃、陸上部で昇を待っているマミ。昇の親友の中谷が一人で歩いてくる。「昇なら来ないよ。清里に行った」。「えーっ、誰と?」「知らねぇ!」。マミはすっかり誤解してしまう。「お姉ちゃんのうそつき!」。

そこまでの明るい流れが一気に逆に流れていく。たぶん、リカにはまだその流れを自分で変える力はない。当然、かをりは昇と一緒に来て、必要以上にベタベタする。単にリカに見せつけるためだけに来たのだ。しかもわざわざ「せっかくだから4人で一緒に行動しましょう」と来る。断っちゃえばいいのに、リカは断れない。

昇はたぶんかをりのことを好きなわけではないのに、嫌がったりしないのでリカはすぐに落ち込む。このぐらいの男の子って、女の子にベタベタされるのはイヤだと思うんだけど、そういう意味でちょっとこの昇の態度は腑に落ちない。確か、後の方で理由がわかるのだけど。

それでも、それなりに楽しく過ごすリカ。何しろ、親と離れて旅行に来たことなんてないのだし、好きな男の子が近くにいる、っていうだけで、ある意味幸せなのだろうと思う。帰りに昇が3人にひとつずつ「今日の記念におみやげ」と小さな置物をプレゼントする。そして、そろそろ最終電車、という時、かをりにぶつかられて荷物を落とすリカ。よく大事なものを落とすね、この人。さっき昇からもらったおみやげを落としたまま出発してしまう。

最終電車のベルが鳴り響くホームで、なくし物に気が付いたリカ、落とした場所に思い当たって、引き返してしまう。三上は焦って窓の外を見るが、昇は「しかたない」といった様子で、ベルが鳴りやむ直前、電車を降りて後を追う。中に残されて「これは最終だから追いかけられないよ」と言う三上に、唇をかむかをり。

この、後先考えずに引き返してしまうのがリカなのだろうか。父や母(特に母)の顔より先に昇からもらったプレゼントの方が勝ってしまうのは、リカの性格にちょっと反するような気がしていまいち納得がいかない。

何時間もかかってようやく目当てのものを見つけて、大事そうに抱え込むリカ。昇がいくら「探すのを手伝わせて」と言っても「なんだったの?」と聞いても答えなかった。そして、見つけて初めて「ああああーっ、どうしよう。電車、もうないし…」。今頃気づくのかい! おまけに、気づいたら電話ぐらいしろって! だいたい、そろそろ夜が明けそうな時間までかかるものなのだろうか、ってこの辺はツッコミ処満載。

泣きながら、リカが昇と一緒に清里に言ったと訴えるマミ。父はリカを信用しようとしながらも心配になる。そして、夜になって三上が一人で帰って来て、リカが最終に乗り遅れたことを告げる。ゆりこは昇とリカが一緒だということにショックを受ける。

ホームでウトウトして、昇に寄り掛かるリカ。手のひらが開いて、自分のあげたプレゼントが見える。愛しさを感じたのか、眠っているリカにキスする昇。それを、反対側のホームでかをりが見ていた。

自分でかけた罠に自分ではまるかをりに、ちょっと溜飲。でも、かをりもただのイヤな女の子じゃないのよね、確か。こんな風にしか自分を表現できないって、彼女も悲しい人なんだと思う。

朝帰りのリカに「パパは本当にがっかりした」という父。そりゃそうだ。私の家だったらたぶん怒鳴られて殴られてたな、きっと。ここの父親は優しいからそんなことないけど。
部屋に戻ったリカはマミになじられ、服やバッグを無理やり取り返される。「お姉ちゃんなんていなくなればいい!」ってそれはいくらなんでも言い過ぎと思うけど。でも、叱られたりなじられたりするのは仕方ない。リカが悪いんだから。そして、今度はゆりこが来て「あなたはもう少し自分のことがわかっていると思った」と言い、無理やりリカに鏡を見せる。この二人の「戦い」は、まだまだ続くのだ。たぶん、リカにはそんな自覚はないだろうけど。


「イグアナの娘」第二話

一昨日第一話を見たばかりなのに、第二話がすでに録画されていたので続けて見てしまった。ひょっとしたら、「新選組!」より真剣に見ているかもしれない…。同時に「24(第1シーズン)」もFOXで始まって見始めているが、ハマリ度は今のところこっちの方がはるかに上。

岡崎昇への思いを募らせながら、彼も自分がイグアナだと知ったら…、と思い悩むリカ。志望大学を東都大に決めたものの、それを書いた進路調査票を橋本かをりに拾われ「昇と同じ大学に行くつもりだ」と誤解され、クラスメートの面前で過去の自殺未遂のことと併せて暴露されてしまう。

かをり役の小嶺麗奈、意地悪美少女が堂に入っている。確か、この前に「金八先生」でデビューしたばかりだが、続けざまに意地悪な役で、そういうイメージがついてしまったのか、その後あまり見ていない気がする。

教室を飛び出して、昔自殺を図った川を前に、当時のことを思い出すリカ。昇に助けてもらったときに「二度とこんなことしない、って約束しろ!」と言われ、それをきっかけに「自分は二度と自殺なんてしない。お母さんにもわがままを言わない。マミちゃんにも焼きもちは焼かない」と決めたのだった。

そんなリカの後ろから声をかける三上。「死んじゃうのかと思った」。「死んだりしない。そう決めてるから」と言うリカ。でも、三上は容赦なくたたみかける。「私は、あなたが悪いと思う」。

失意のリカに追い打ちをかける言葉にちょっと驚いた。あれほど暴言を吐いたかをりではなく、被害者としか思えないリカを非難したことに。でも次の「『私なんか、私なんか』っていつもいじけているような人は、絶対に幸せになんかなれない。」というセリフには納得。言うだけ言って、背中を向ける三上に向かって、リカ。

「私だって幸せになりたい! 私だって……。でも、ダメなの…。」

このあたりで、涙腺崩壊。なんでだろう、リカにものすごく共感してしまう。そこまでではなかったと思うが、その頃の自分にもそういう部分があったのかもしれない。そして、三上の「友達になろう。二人でなら、乗り越えられる」。この言葉にもっと揺さぶられた。自分なんてイグアナだから…、と何事にも消極的で悲観的だったリカが、これから変わっていくであろうことを予感させて…泣けた。

その頃かをりにそそのかされて、リカが昇目当てで東都大を志望していると勘違いした妹のマミは、母のゆりこにそのことを告げ口。一旦はリカの東都大受験を消極的ながら容認していたゆりこは、また何か良からぬことを考え始める。

それにしても、ゆりこサン、ケバすぎませんかね。専業主婦というより、水商売の女性という感じなのだけど…。

三者面談の日、「リカのことは私にまかせて」と夫に宣言して学校にやってくるゆりこ。三上はゆりこに「親友の三上伸子です」と自己紹介。いきなり親友ですか。リカには心強いことだろう。ゆりこも「親友…、リカの?」と怪訝な顔をしながらも「よろしくお願いします」と、ちょっと嬉しそうに挨拶。やはりこの人の心の動きは難しい。

そして面談。かをりに書き換えらた調査票には一流大学の名前が書いてあるが、思い切って「私、志望校は東都大に…」と言いかけるリカ。それを遮るように「リカの受験、やめさせようと思います」と言い出すゆりこ。さて、その先は…?

と今回はここまで。

三上という「親友」が表れ、一人でいじけていたリカに、父と昇以外の初めての味方ができた。父はともかく、昇はぶっきらぼうで大っぴらにリカに好意を示したりはしないし、基本的にフェアで誰にでも同じように接する(かをりが馴れ馴れしくしても嫌がらない)から、本当の意味で支えになってくれる初めての他人が三上だと思う。

三上の出現で、ただ暗くて卑屈で、見ていてイライラさせられたリカが、どんな風に変わっていくのか、これからをすごく期待させる回だった。リカの進路がどうなるか、というのは二の次かと。


「イグアナの娘」

夫に頼んで録画してもらってあった「イグアナの娘」第1回をようやく見た。

これは96年にテレ朝で放映されて、かなり話題になったドラマだが、私は当時、途中から、それも時々しか見られず、できれば1回からちゃんと見たいと思っていた。原作の萩尾望都のマンガも読んだが、これは設定だけ借りた別物。

今月に入って「テレ朝チャンネル」放映が始まったのを知り、時間はないけどチャンスもなかなかないから、と録画してもらったのだった。

それでも、見るまでは「このまま見られなかったらしかたないか」くらいに思っていたのを、時間ができたので見はじめたら、もう…テレビの前から離れられなくなってしまった。

第一回は、いつもエンディングで流れていた母と娘のシーンから。なるほど、最初から、母親になったリカ(菅野美穂)が娘にお話を聞かせる、という設定だったわけだ。それで、最終回に同じところにつながる、と。(ちなみに最終回は見た)。

最初はゆりこ(川島なお美)の出産シーン。川島なお美さんの若作り(!)に驚きつつ、生まれた子がイグアナに見えて、どうしても愛することができない、というところから話はスタート。

イグアナの着ぐるみは決していい出来ではないのだが、そんなことは全然気にならない。
自分以外にはかわいい女の子に見える娘が、自分にはどうしてもイグアナにしか見えず、苦しむゆりこ。2歳の時には無理心中まで図ろうとする。なんだか、現代の孤独な母親と重なって見える。それでも、このゆりこと娘リカには、愛情あふれる夫、父(草刈正雄)がいるのがまだ救いだけど。

そして、二番目の女の子マミが生まれると、そっちはゆりこにも普通の人間に見え、ゆりこはマミを溺愛してリカにつらく当たる。これがもう見ていられないくらい露骨。

小学生のとき、リカは母が父に「あの子のことがイグアナにしか見えない」と言うのを聞いてしまうと、それ以来リカ自身も自分のことがイグアナに見えるようになってしまう。
そして、リカがお小遣いを貯めたお金をはたいて、高価なスカーフをプレゼントすると、母は「こんなセンスの悪いものできない。返してきなさい」と言い、マミの描いた母親の絵だけをベタほめする。リカは「ママは私のことが嫌いなんだ。私がイグアナだから!」と家を飛び出して入水自殺を図る。

ここまで見て、もう泣けてきてしまった。小学生の女の子が、母親の愛情を得られず、自分のことも愛せずに絶望して自殺しようとするなんて…。

そして月日は流れて、リカとマミ(榎本加奈子/まだ初々しくてすごくかわいい)は高校生になっている。相変わらずゆりこはリカに冷たく、リカは暗くて卑屈な女の子になっている。イグアナの着ぐるみを何度も見ているせいか、それともイグアナの着ぐるみが彼女に似せて作られたのか、菅野美穂の顔がイグアナとダブる。

そんなリカも、同級生で、昔自殺を図ったときに助けてくれた岡崎(岡田義徳)に密かに想いを寄せている。そして、同じように岡崎に好意を持っていて、リカを毛嫌いする橋本(小嶺麗奈)に、後にリカのよき理解者となる転校生、三上(佐藤仁美)。

とりあえず登場人物が出揃い、これからリカの成長物語が始まる、という感じ。

第1回を見て、当時見ていて気になっていたところが大分スッキリした。そして、思いっきりのめり込みそうな予感に驚いている。

当時は子供を育てていなかったせいか「イグアナ」の暗喩がいま一つ理解できていなかったり、川島なお美の壮絶な「娘いじめ」にひたすら腹が立っていたような覚えがあるが、今となっては母親側の気持ちもわかるような気がする。ありのままの自分の子供を受け入れることができない、というのは、たぶん良くある話だし、自分だって思い当たる部分がある。何といっても、リカが自殺を図ったと知ったときのゆりこの取り乱しように、やっぱりこの人はいくら冷たく当たっても娘を愛しているのだということがわかって、ますますそれを実感。

一度最後まで(全部ではないけど)見ているので、話の流れはだいたい知っているけれど、それでも、これからに期待。