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劇団四季「オペラ座の怪人」

息子がヨーロッパに出発して約一週間。毎日現地からアップされる写真やtwitterによると、元気にツアーを続けているようです。昨夜を含めて二回の聖堂コンサートは大盛況だったようで、貴重な体験を積み重ねているようで、わが息子とはいえ、うらやましい限りです。

それにしても、学校の長期休み中ずっと子供がいないというのは、寂しいのはありますが気楽ですね。食事の心配もしなくていいし、いつどこに出かけていつ帰ってくるとか一切考えなくていいし。

こんなに長い期間子供がいないのもここ十数年初めてで、いろいろ新鮮な感じです。

前置きが長くなりました。

子供がいないので心置きなく夫婦でミュージカル観劇にでも行こうと、昨日は劇団四季の「オペラ座の怪人」を初めて観てきました。

もちろん、チケットはかなり前に取ってあったのですが。

ミュージカルというといつも残念な席なことが多いのですが、今回はかなりな良席。なにしろセンターブロックのかなり前寄り、しかも通路側という絶好の席です。一般なのに、我ながら良く取れたなぁと思います。ちなみに今発売中の期間、この辺りはもう絶望的ですから。

「オペラ座の怪人」は今練習中ということもあって、ぜひ一度生舞台を観たかったのです。

そんな期待の中、始まった舞台は…やはり良かったです。

四季の舞台はやはりハズレがないというか。舞台セットも豪華とは言いませんがきちんとしてますし(ここは日本のオペラと一番違うところ)、ダンスも歌も演技も破綻がありません。

何より、やっぱり作品そのもの、曲そのものが良いので、きちんと演じてもらえれば感動できますね。

ただいくつか残念なことはありました。

一つは日本語上演であること。まぁこれは仕方ないことですし、日本語なだけにストーリー展開がわかりやすかったのはむしろ良い面です。ただ、どうも音楽のリズムや、本来の歌詞の意味と合っていない部分が多かったのはちょっと気になりました。

もう一つは、一部が口パクだったこと。

少なくとも、タイトル曲「オペラ座の怪人」の中の、ある意味クリスティーヌの一番の聞かせどころ、の最後の部分。最高音Hi-Es(ミ♭)の部分は絶対に歌っていないのがバレバレです。なぜなら、あんなギリギリの高音なのに、口こそ開いていても涼しい顔をしているんですもん。その前も人によっては逆立ちしても出ないHi-C(ド)連発ですが、かなり涼しい顔をしていたのでひょっとしたら歌っていないのかも。

この曲は私自身今すごく苦労していて、ここでどれだけすり減るかを身を持って知っているので、どう歌うのか結構構えて見ていたんです。そうしたらあまりにもあっさり涼しい顔で切り抜けてしまって…。ちょっとがっかりしました。せめてもう少し必死な表情が見られたら、気付かなかったでしょうに。

一か所こういうところがあると、実は他もそうなんじゃないかと疑心暗鬼にかられてしまったことは確かです。(たぶんほとんどはきちんと歌っていたと思いますが。)

マイクを使った歌唱なだけに、録音が使われていても気づかないシーンってたくさんあるような気がして。

少なくともオーケストラはちゃんと入っていて生演奏だったので、一部だけだったと信じたいです。

こういうところが、オペラとミュージカルの決定的な違いなんですよねぇ。

とまぁ、一部に不満はありましたが、やっぱり良かったです。「オペラ座の怪人」。四季の舞台は一度観るとまた観たくなる魅力がありますが、なかなか経済的にそれが許されないのがつらいですね。

「キャッツ」や「ライオンキング」は息子にも見せたいと思っているんですけどね。


小劇場版オペレッタ「こうもり」

今年二本目の「こうもり」は小劇場版。

川崎のNPO法人「さえの会」さん主催のオペラ公演です。

演奏はピアノ+管弦楽ですが、オーケストラというには超小編成。それでも定員350名の小ホールでは十分。(たぶんみなさんプロの方でしょう。)ピアノのみの演奏と比べてすごく音の幅が広くて良かったと思います。

キャストは通常メンバーのほかに、パントマイムの方が出ていました。

一部の曲を除きほぼ全編日本語で、みなさん演技も芸達者で、楽しかったです。

特に、私たちの声楽の先生のご友人で、いつもお世話になっているK先生、ひときわ華やかなお声のアデールでした。演技も立ち姿も際立っていました。素晴らしかったです。

合唱も少人数でしたが、ホールそのものが小さいのでなかなかの迫力でした。

小規模ではありましたが、立派に「オペラ」していたなぁと思います。

それにしても、この公演、前売券は3,000円なんですよ。

果たして出演者の方にギャラは出ていたのだろうかと余計な心配をしてしまいます。

オペラが気軽に観賞できるのは有難いけれど、ここまで安くなってしまうと、それはまたそれで問題があるような…。


オペレッタ「こうもり」at杉田劇場

スロバキア国立歌劇場オペラ2012「オペレッタ こうもり」を観てきました。

と書くとなんだか立派なオペラで高そうに聞こえますが、場所は定員300名の横浜・杉田劇場、価格は3,500円(当日券4,000円)というリーズナブルな公演でした。

実際、オーケストラは無くてピアノ伴奏、出演者はソリスト7名+ピアニスト+ナレーターのみという構成です。

ピアノ伴奏で抜粋版のオペラというと、先日自分が出演した「フィガロの結婚」がそうですが、それ以上に簡易な公演でした。

だからと言ってつまらなかったと言うことはなくて、ソリストの歌はみんな素晴らしかったし、皆さん芸達者でとても楽しかったです。まぁ、これも一応すべて揃った完全版を観たことがあるから、だとは思いますが。

前半は「こうもり」とは関係なく、いろいろなオペラのアリアや二重唱を続けて歌うガラ・コンサート形式で、後半は、「こうもり」ですが、これも、お話の流れはナレーターが担当し(なんとスロバキアの方が日本語で!)、場面場面をつないでいく、というものでした。

歌やお芝居はとても良かったのですが、人数が少ないので状況設定にどうしても無理があるのと、合唱もバレエも、大道具の交換もないのはやっぱり少し寂しかったです。

この公演は、主催者の方(個人の方だそうです)が、日本におけるオペラ公演の現状を憂いて(西洋の猿真似なのに料金の高い国内オペラか、庶民に手の届かないブランド歌劇団しかない)、「本物のオペラ」を庶民が気軽に楽しめるようにと始められたそうです。実際、この日もほぼ満席でした。

その主旨は良くわかるのですが、仰っていたことはちょっと極端かなぁ。最近の日本のオペラも必ずしも猿マネとばかりは言えず、歌唱力・演技力を兼ね備えた方も増えていますし、海外の引越公演にしても、東欧の歌劇団の地方興行などは、席を選ばなければかなりリーズナブルな価格でそれこそ「ホンモノ」のグランドオペラが鑑賞できたりするんですよね。

私も、地元のホールでオペラの引越公演があればなるべく行くようにしていますが、いつも満席です。正直、今回の公演だったら、以前に地元で見た完全版の「こうもり」の方がコストパフォーマンスは高かったかなぁと。やはり、オペラは総合芸術ですから、オーケストラ、合唱、バレエと揃ってこそ、本物かなぁとも思いますし。

でも、これはこれでとても楽しかったです。特に、最後にアンコールでバリトンの方が歌ってくださった「いとしのエリー(日本語版)」が素晴らしかった。一番感動したかも。