正確には「本」ではないですが、まぁ、特典短編もありますし、セットで買ったものなのでついでに。
なお、販売はTOブックスオンラインストアのみです。
ドラマCD本編
仕込まれた爆弾
今回はなんと2枚組。内容は、小説28巻~29巻のダイジェスト、そう、まさにダイジェストです。
ドラマCDは一応すべて聴いていて、基本、CDそのものには新情報はほぼ無いので、声優さんたちの演技を楽しむだけで、本当のお楽しみは小冊子になっている「特典SS」なのです。
ところが、今回は最終話に爆弾が仕込まれていて、そのせいでTwitter周りが結構騒がしいことになっていました。
なんの爆弾かというと、本編29巻の「選択肢」の章がフェルディナンドのモノローグになっていて、彼の心情・内心が速水奨さんの声で語られてしまうのです。えっ、これってここで言っちゃっていいの?、みたいな。
まぁ、「選択肢」に関しては、次の章の「遊び場」も含めて囲い込みにかかっていることはバレバレなので、どうしてそうなったかではなくて、その時どう思っているかは言っちゃってもいいのかもしれませんが。でも、行間を読んで想像するのと、本人のセリフとして明言(モノローグだけど)されてしまうのは全然違うので、「フェルマイ勢」が大騒ぎになったのも仕方なし、ですね。私としてはやっばり「どうしてそうなった?」の方が知りたいけど。それはまだ先のお楽しみなんだろうな。
CD全体に対しての感想
CDの内容全体としては、いつも通り、声優さんの演技はすごいなぁ、と思うけど、やはり「このセリフ端折る!?」みたいなのが多くて、ちょっと残念です。
とは言え、たくさんの声優さんを使っていて、効果音も含め、その場面場面は楽しめました。アニメの声優さんはそのままなので、挿絵と合わせて、アニメとして想像しながら楽しむことができます。さっそくiPhoneに取り込んで、また家事のお供にさせていただきます。
次巻も2枚組なのですでに予約済みです。
それにしても、こうやってドラマCDをどんどん作るのは、やっぱりアニメ化は3期止まりと思っているのかな?、と悲観してしまいます。実際、最後までやるのは絶対無理だろうし。できる限りやってほしいけど、4部以降はいくらなんでも長すぎますからねぇ。
特典SS
さて、お目当ての特典SS。フェルディナンド視点の「迫られた選択」。
ローゼマインが行方不明になった貴族院4年生の冬。小説28巻閑話のジギスヴァルト視点や、SS置き場のエックハルト視点でも語られていた、「卒業式翌日に図書館2階のメスティオノーラ像のところへ行く」シーンですね。
今回の特典、字が小さい! よっぽど、先にスキャンしてPDF化して拡大してから読みたい、と思っちゃいましたが、職場に行かないとスキャナーが無いんです。残念。頑張って読みました。
ジギスヴァルト王子と行き会う前、やっぱり一旦金色シュミルに会っていたんですね。その時は側近たちは気づいてないので、祠に入ったときと同じように時間経過はなかったのかな。うっかりなジギスヴァルトがローゼマインはここで消えたと教えてくれたので、何が起こったかわかってしまった。その辺りは他者視点でもわかりましたが、フェルディナンドはお怒りだったのですね。ただ、まだ一つの書を分け合ってるとは知らない。残りはまた後で取りに来ようと思うけど、何度もそんな機会があると思えないから頭を抱えていた、と。
その後、ランツェナーヴェを引き入れてからのディートリンデがやっぱり色々ひどい。でも、上位者だから他領籍のフェルディナンドは強くは言えない。執務は積み上げられて良いように使われているのに発言権は制限され、他者からは「婚約者なんだからなんとかしろ」と言われ…。普通の人ならとっくに潰れてますね。まして、ローゼマインからの差し入れが途切れて安心して食べられるものすらなくなってるし。
そして、また理由をこしらえて貴族院へ。ここで転移陣の使用許可証が実質フリーパスになって後に生きるんですね。ディートリンデ、貴族院落第寸前だったとか、さもありなん、です。
再度図書館からじじさまの元へ。ここで知る驚愕の事実(笑)。で、残りの叡智を自分が得るためにはローゼマインを殺さなくてはいけないと思い込む。「協力する」っていう考えがハナから無いんですよね。そして、今さら彼女を殺すとか、できなくなってるんですよね。だから、自分が死んだほうが良いんじゃないかと思ったり。
ローゼマインの脅迫「助けに行く」を気休めとしか思っていないフェルディナンド。「家族同然」も当然本当の身内より自分は下で、優先されるとは思っていない。これ、後でフェルディナンドが示した「選択肢」を現実的でないから多分無理、と思っているローゼマインと対ですよね。お互いに、相手がどれだけ自分を必要としてるかわかってない。自己評価低すぎな二人。考え方の根本はぜんぜん違うのに、よく似てます。サッサと自覚してくっついちゃえ、と野次馬な読者は思うのですが、まだまだ先は長いですね。
そういえば、最奥の間からどうやって戻ったのかと思ったら(まさか王族呼ぶわけないし)、転移陣書いて転移の間(例の各地の国境門とつながっているところ)に行ったんですね。図書館の中にいたはずの主が図書館の外から戻ってきたら側近たちも焦りますね。それでも短時間で戻ってきて良かったけど。もしも残りの叡智を得られていたら、やっぱり日をまたいじゃったりしたのかな? そうなると また色々大変だったでしょうね。
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