手術前夜は、「きちんと睡眠をとりましょう。眠れないときは薬を処方しますので看護師を呼んでください」と、手術前の注意書きにあったのですが、なんとなく良く眠れずにいるうちに朝になってしまいました。
当日は朝6時から、禁食どころか水分も禁止なので、朝寝してもいいし、と思っていた部分もあります。
ただ、毎食の薬を預けてあったため、5時半頃に看護師さんが朝の薬を持ってきて「6時からはお水も飲めないので、今のうちに飲んでください」と置いていきました。仕方がないのでそれを飲んで、ちょうど持ってきた600ミリペットの水がなくなりました。
冷蔵庫には2リットルの水が2本入っていますが、どうせ手術が終わるまでは何も飲めないので、自分で入れ替えずに、後でやってくる夫に入れてもらおうと思っていました。
薬を飲んだらまた朝寝を決め込んで、ウトウトしたり、すっかり目が覚めたら読書をしたりして、時間をつぶしました。
朝の検温のときに「水分が取れないから」と、生理食塩水の点滴が始まりました。前日刺した針の位置を見て「すごいところに刺してありますね」とびっくりされていました。痛いんですよ、これ。
この日の予定は13時からが手術で、夫にはその1時間くらい前に来てもらうことになっていました。
夫は、それまでこの病院に来たことがなかったので、この日が初めてでは心細かろうと、一緒に週末に「下見」に来ていました。
シャトルバス乗り場を確認し、そのバスで病院まで来て、面会手続きの方法を確認し、レストランで食事をしました。ここのレストランは、病院らしからぬ高級な雰囲気のレストランでしたが、雰囲気の割りにはそこまで高くなくて、私の食べた定食は結構美味しかったです。夫はおすすめの担々麺がお気に召さなかったようですが。
病棟に行くエレベーターの場所、コンビニやカフェの場所、そして、婦人科外来の場所を確認して、その日は帰ってきました。
なので、手術のこの日もすんなりと病室まで来られたようです。
「12時頃に」と連絡してあったのですが、夫は11時頃にやってきました。「早いね」と言ったのですが、「間に合わないと困るから」とのことで。まぁ、家からは電車バスを乗り継ぐので、どうしても早め早めの行動になってしまいますね。
すると、なんと11時半ごろに看護師さんがやってきて「前の手術が早くて、そろそろ来てほしいって連絡が来ました」と。入ってきたときに夫がもういたので「良かった。いてくださって」と心底ホッとしていました。さすがに、1時間半も早まるとは思っていなかったようです。
慌てて手術室に入る準備を始めます。
弾性ストッキングはキツくて履きづらいので、看護師さんに履かせてもらいました。すでに点滴が始まっていて左手が不自由なので、自分では難しいのです。
無事に履き終わると、手術着に着替えて丁字帯をつけます。余談ですが、本来は「丁字帯(ていじたい)」のはずですが、院内コンビニで買ったそれは「T字帯」になっていました。まぁ、もう「丁」よりアルファベットの「T」の方が馴染みが良いのでしょうね。「丁字路」も死語だし。
支度が終わると、歩いて手術室に向かいます。その前に、貴重品をすべて鍵のかかる引き出しに入れ、夫に鍵を預けます。
手術室のあるフロアで、夫とお別れです。夫には看護師さんが「手術が終わるまでこのフロアにいてくださいね」と声をかけていました。ソファがたくさんあるフロアです。たぶん、手術中の家族がみんなここで待っているのでしょう。後で聞くと、このフロアは飲食しても大丈夫だったみたいで、夫はコンビニで買ってきた昼食を摂りながら待っていたそうです。
私は看護師さんに連れられて中に進みます。途中で、点滴が落ちていないことに気づかれました。角度を変えてみると落ちるところもありますが、ちょっと手首を動かすともう落ちません。これはダメかも。
手術室の入口で、名前と生年月日、本日の手術部位を聞かれます。大事な確認ですね。
そこで、不織布のキャップを被せられ、さらに奥に進みます。
それほど大きくない手術室に入り、手術台に上がります。
横になったところで、メガネを外され、点滴を確認されますが、どうやら止まっている様子。この場所では麻酔が入れられないと判断されたのか「刺し直します」と言われました。元の針はそのままにして、ゴムバンドをして別の場所に針を刺されますが、血管が逃げるのかなかなか決まりません。痛いんですけど。しばらく探して結局あきらめたらしく、そこを抜き、更にもともと刺さっている痛い針も抜かれて、3度目の正直、今度は手の甲に刺されました。
さすがに手の甲はうまく通ったようで、固定されるとすぐに「それでは麻酔の薬を入れます。すぐ寝ちゃいますよ」と言われました。その言葉通り、あっという間に意識がなくなりました。
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