気がつくと、手術は終わっていたようです。
「手術、終わりましたよ」と声をかけられているのがわかりました。
気づくとベッドが動いていて、夫の顔が見えました。この辺りは麻酔から覚めきっていないので、朦朧としていて記憶が途切れ途切れになっています。
部屋についてしばらくして、猛烈にお腹の周辺が痛く、喉が渇いているのに気づきました。
喉が渇くのは口で呼吸しているからと気付き、口を閉じて鼻呼吸をし、唾液を絞り出したら少し乾きが落ち着きました。そういうところはちょっと冷静でした。同じように、強烈に尿意を感じましたが、これも「管が入っているからトイレに行く必要はないはず」と考えていました。
ただ、お腹が痛い。とにかく痛い。「居ても立っても」というけれど、本当に、仰向けでも、横向きでも、足を立てても、とにかく痛い。「痛い、痛い」とひたすら呻くしかありません。
看護師さんから「痛みは最大が10だとすると、どのくらいですか?」と聞かれるので「8くらい?」と答えましたが、後々振り返ると、どう考えても10だったな、と思います。陣痛の痛みとか、帝王切開の痛みとか、どの程度だったか忘れたけれど、たぶんそれらと比べても遜色ないくらい痛かったです。
それで看護師さんが「一種類の痛み止めは手術が終わってすぐに入れてるけど、そんなに痛いのならもう一種類入れてもらうよう手配するので、ちょっとだけ待っててね」と言って出ていきました。
ところが、待っても待っても来ません。こちらは「痛い、痛い」とひたすら呻くのみ。側にいる夫も落ち着かないみたいで、腰をさすってくれたりしました。なんか陣痛の時みたい。でも、さすってもらったら気持ちだけですが楽になったように感じました。ありがたいです。
30分くらいして、執刀医の先生が来て「すべて予定通り終わりました」と言って下さいましたが、私の方は痛くてそれどころではありません。先生は「痛み止め、手配しますから」とおっしゃって出ていかれました。
先生が出ていかれると程なく看護師さんがやってきて「先生の指示がようやく入ったので、今から痛み止め入れます。一回いれると次は4時間空けないといけませんが、無理なときはこちらで無理というので、また我慢できなくなったら言ってください」と言い、点滴に痛み止めを追加していきました。
そして「痛みがゼロになることはありませんが、少しでも落ち着くと良いですね」と言って帰っていきました。
痛み止めが入ってしばらくすると、猛烈だった痛みが「かなり痛い」程度には和らぎました。おかげで、少し眠ることができそうでした。
ずっと痛くて朦朧としていたのでタイミングを覚えていませんが、この辺りで手術着から普通の寝間着に着替えさせられました。下着も、丁字帯を外して普通にパンツを履かされました。もちろん、全部看護師さんがやってくれます。正直、自分では何もできませんでした。
夫は、痛み止めが入ってしばらくしてから帰り支度を始めました。この日は平日で有給休暇をとってくれたのですが、あまり遅くなると次の日に響きますし。
預けてあった貴重品の鍵は開け、スマホやAirPodsなどは手の届くところに置いてもらい、あと水を入れ替えてもらいました。この後、時間が経てば飲めるようになるはずです。
夫が帰っていったところで、少し眠りました。
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