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親戚宛年賀状の意義

今年は暖冬のせいか、なんだか年末という気がしなくて、年賀状着手が大幅に遅れてしまいました。ようやく先程全部投函してきましたが、もう元日には間に合わないかもしれません。

私の場合、年賀状を出す相手は、ほとんど年賀状のやりとりのみになってしまっている友人、恩師、そして親戚がほとんどです。それでも、友人たちは「今年こそ会いたいね」と書きつつ、実際にはほとんど会うこともない代わり、家族写真が入っていたり、たとえ印刷でも、PCを使って自分で作ったもので近況が書いてあったりして、それなりに楽しみだったりします。

ところが親戚の方は、返事が来ない人も多いし、来たとしてもスタンプを押しただけだったり、市販のテンプレ印刷だったりと、まさに「社交辞令」がほとんどで、少々モチベーションが下がるのが常でした。

元々、最初に結婚したときに、父から「所帯を持ったら世話になった親戚や恩師くらいには年賀状を出すものだ」と言われて、最初の頃は印刷で、その後プリントゴッコ、そしてPCと、方法は変わったものの毎年それなりの数を出してきました。

まぁ、はっきり言って「惰性」? それでも、子供の頃とても世話になった母方の親戚とは、家が遠くなって気軽に顔を見せられなくなった分、年に一度くらいは成長ぶりを見せてやろうと、子供の写真入り年賀状を出してきました。この少子化の時代、ご多分に漏れず、叔父叔母の多くは孫の一人もいないため、うちの息子を孫のように可愛く思ってくれていたりするのです。

そんな中、実は今年、驚くようなことがありました。

4月か5月頃だったと思うのですが、母の異父姉である伯母から、突然手紙とお金が送られてきたのです。この伯母は、年賀状を送っても一度も返事がきたりしない人の一人でした。それが「毎年忘れずに年賀状くれてありがとう。Mくんにおもちゃでも買ってあげてください」という感じで。

びっくりして返礼を送ったのですが、今度は電話がかかってきました。この伯母は母の兄弟6人のうち、唯一父親の違う姉(長子/その後祖母が離婚して私の祖父と結婚したらしい)ですが、次女である母とは結構仲が良くて、子供の頃はよく家に遊びに行ったものでした。今は足を悪くしてしまって外出もままならず、旦那さんも亡くなって寂しい生活を送っているようでした。

その伯母が言うには、数年前に祖母が亡くなった時に、総領である伯父(祖父の長子)が「ばあさんが死んだ以上、もうあんたとは兄弟じゃないから、二度と付き合わない」と宣言されたそうで、妹たちも兄の手前訪ねてくることもなくなり、すごく寂しいのだそうで。

伯父がそんなことを言ったことにも驚きましたが、共通の親が死んだから兄弟じゃなくなるっていう理屈もよくわかりません。ただ、その後交流がすっかり途絶えてしまったことは確からしく、すっかり気落ちしている中、私だけが変わらずに毎年年賀状を送っていることが、ものすごく嬉しかったと泣きながら言うのです。

こっちは言ってみれば「惰性」で、それこそ「ついで」に送っていたような年賀状なのに。なんだか、聞いていて私のほうが申し訳なくなってきました。

でも、伯母が心底喜んでくれて、楽しみにしていてくれることだけは痛いほどわかり、伯母の心境に同調して、ついもらい泣きしてしまいました。

そして、ひょっとしたら、返事をくれたりしない他の親戚の中にも、実は似たような感じで楽しみにしてくれている人もいるかもしれない、と思いました。インターネットやPCとは無縁のお年寄り世代です。過疎の町に住んでいる父方の親戚なども、実は息子の成長を密かに喜んでくれているのかもしれません。

そう思ったら、例え近年直接の交流はないとしても、年賀状を出し続ける意義はあるのだと、改めて思ったのでした。
少なくとも、親世代の親戚たちが全員亡くなるまでは、なんとか続けたいと思います。

それにしても、私と同世代以下の従兄弟たち、みんな世話になってきたのに、年賀状くらい出さないのでしょうかね。まぁ、私の妹弟も、結婚したところで姉にさえ送ってきませんけど。弟に至っては、父が亡くなって仮にも社長を継いだうえ、私から金を借りて踏み倒したりしているクセに、何の挨拶もありません。別にいいですけど。あ、夫の弟たちはちゃんと送ってきます。姉として情けない思いです。

この記事への過去のコメント

今年最後に良い話を聞かせていただきました。とりあえず私は何かコメントを残します。
親戚には確かに社交辞令とかになっていますが。以前会社を定年した初老の方にお会いした時にお前の年賀状、いろいろ会社の事情とか書いてあって楽しみにしてたけどこのごろ
同じ事しか書いてないなあ。と言われ
ああ、やっぱり楽しみにしている方も
いてくれるんだと思い、年賀状くらいは
書こうと思っている次第です。

かれんさん来年もよろしくお願いいたします。
良いお年を。

Posted-by yottyan :2006年12月31日 10:09

あけましておめでとうございます。

yottyanさん、最後までありがとうございました。
年賀状は社交辞令の側面が多いと思いますが、その一方で、年に一回知人友人の消息を聞ける貴重な機会でもあるので、大事にしていきたいと思います。

yottyanさんにはここ半年くらいでしょうか、大変お世話になりました。また今年もよろしくお願いいたします。

Posted-by かれん :2007年1月 2日 10:14

コメント

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