オペラ一覧

久々のオペラ鑑賞(プラハ国立劇場オペラ「フィガロの結婚」)

書きたいことはいろいろあるのですが、なかなかアウトプットの時間が取れません…。

とりあえず書けるところから書いていかなくてはいけませんね。

久々に、ナマのオペラを観てきました。

プラハ国立劇場オペラの引越公演「フィガロの結婚」です。

最近はMETのライブビューイングこそ時々行っていますが、本格的なオペラは本当に久々です。(演奏会形式では、昨年出色の公演を鑑賞しましたが。)

しかも、今回は初めて息子が一緒に(と言っても彼は学生席ですが)観劇したので、ちょっと特別な感じでした。

「フィガロの結婚」と言えば、以前にイタリアの歌劇場が来た時も観ましたし、何より、昨年のちょうど今ごろ、息子の所属合唱団の先生方中心の公演があり、自分も合唱で出演したので、余計に親しみがあります。

昨年のソレは、ピアノ伴奏+超抜粋+日本語ではありましたが、息子などはそれを観て親しみを持っていたおかげで今回本物を見てみたいと思ったようなので、ああいう公演もそれなりに意義はあるんでしょう。

プラハの劇場とモーツァルトといえば、切っても切れない間柄。そういう意味でも期待が持てました。

実際、特にスターという感じの歌手さんはいないものの、ソリスト・合唱・バレエ・オーケストラ(もちろん大道具小道具も)すべてがパッケージでやってくる引越公演は、バランスが良くて見応えがあります。

今回も、キャストそれぞれが役柄に良く合っていて、とても楽しめました。スザンナは可愛らしく、伯爵夫人は気品があって美しく、ケルビーノは少年らしく、マルチェリーナは貫録があって。男声陣も良かったですよ。皆さん美声でしたし。

それにフィガロはやっぱり有名な曲が多くて嬉しいです。やはり知らない曲ばかりのものよりは知っている曲が多い方が楽しめますよね。

心配していた息子も、学生席なのであまり良い席とは言い難かったのですが、それでも「面白かった。入りこんじゃった」だそうで、次回秋には同じ歌劇団の「魔笛」が来るらしいよと言ったら「それも行きたい」ですって。

今年はなるべくその手の出費を抑えたいのですが、そう言われちゃうと、なんとかしたいなぁと思ってしまうのでした。


ナタリー・デセイの「ルチア」を堪能

昨夜は久々のサントリーホールへ、コンサート形式の「ランメルモールのルチア」を聴きに参りました。

タイトルロールは当代最高のルチア歌いと名高いナタリー・デセイ。

私が初めてデセイを知ったのは、なんと昨年です。METのライブビューイングでの「ルチア」を観たのが最初でした。

衝撃でしたね。

歌はもちろんすごいのですが、その演技に特に引き込まれてしまって。
ルチアは難曲ぞろいなのに、その難しさを感じさせないくらいの自然な歌唱と、魂のこもった演技でした。

それで一気にファンになりました。

今年も夏前にMETライブビューイングの「椿姫」を観て、このときは体調が悪かったみたいで歌の方は彼女的に今一つだったようですが、それを補って余りある迫真の演技で、最後は涙を抑えきれませんでした。

そんなデセイが日本でルチアを歌ってくれる、と知った時、もちろん「行きたい」と思いましたが、チケットの価格を見て最初は「無理」と諦めかけました。

が、夫が「オレが半分以上出すから行こうよ」と言って背中を押してくれたので、チケットを買うことができました。感謝です。

さて昨夜のルチア。

席は二階左サイド。
最初は聞こえ方がどうかな?、と思いましたが、いい感じに音が回ってきて良かったです。思ったよりステージも近かったし、ルチアとエドガルドやエンリーコとの掛け合いではちょうどデセイの顔がこちらを向くことになり、表情も良く見えました。

そして、やっぱりデセイは素晴らしかったです。

コンサート形式なので衣装も演技的な絡みもないので純粋に歌を聴くわけですが。

やはりナマの声は録音とは全然違うのでした。
いや、聞こえる音色は変わらないのですが、たぶん録音できない部分がたくさんあるのでしょうね。

たとえ衣装を着ていなくても、魂のこもった歌は鳥肌モノでした。

ダイナミックレンジの広さは想像以上。繊細なppから、あの細い体のどこにそんなパワーが?、と思わせる迫力のffまで、堪能させていただきました。

有名な「狂乱」の場では珍しいグラスハーモニカとの競演も楽しめました。
グラスハーモニカの方、掛け合いではデセイに煽られてちょっと大変そうでしたが、幻想的な音色があの場面によく合っていたと思います。

個人的には一幕のアリアの方が好きなのですが、こちらも圧巻でした。
デセイのアリアの後は、ステージ上の人たちまで控えめに拍手してましたね。

コンサート形式って、普通のオペラと違って舞台に出ずっぱりなので、コンディションを保つのが大変だと思います。

あれだけの量を歌うのに、水一滴飲まずに歌いきるのもすごいな、と変なところにも感心してしまいました(急きょキャスティングされたエドガルド役の方は水を持ち込んで飲んでいらっしゃいましたが)。

新国立の合唱団の皆さんも、特に女声は開演から1時間近く歌わずにステージ上で座っていて、でも出番になったらあれだけきっちり歌えるあたり、さすがプロ、と思いました。あれ、ホントに辛いんですよね。ステージ上は暑いし乾燥するし。

オーケストラ、ソリスト、合唱、どれも素晴らしく、本当に贅沢で幸せな夜でした。

とにかく、デセイの歌を現役のうちにナマで聴く機会を得られただけでも本当に嬉しかった。改めて夫に感謝です。


METライブビューイング2012-2013「愛の妙薬」

今年もMETのライブビューイングが開幕。

ということで、オープニングアクトの「愛の妙薬」を初日に観にいってきました。

「METライブビューイングって何?」という方のために簡単に説明しますと、NYのメトロポリタン・オペラの舞台をそのまま映画館でリアルタイムに配信しちゃうプロジェクトなんですが、日本の場合は字幕をつける作業があるため、三週間ほど時差があります。

まぁ、ライブビューイングそのものはサッカーの試合や大きなライブなんかでかなりメジャーになりつつあるので、あれを想像していただければ大きな違いはありません。

実際の舞台と違うのは、幕間に舞台裏でインタビューがあったり、次のシリーズの宣伝が入ったりするのと、やはり客席より間近にキャストの皆さんの表情が見えることでしょうか。

とにかく、舞台の臨場感そのままに映画館で一流オペラが楽しめる、ということです。

ちなみに、料金は3,500円。映画としてはお高めですが、オペラとしては安いです。
なお、同一シーズンの二回目以降は半券を見せると「リピーター割引」として300円安くなります。

METライブビューイングについてその他詳しいことは、公式サイトをご覧くださいませ。

予告映像も貼っちゃいます。

さて、今回の「愛の妙薬」です。

とりあえず公式サイトよりあらすじと見所を。

19世紀のスペイン、バスク地方。農場主のお嬢様アディーナは、美人でチャーミングで知的と三拍子揃った皆のマドンナ。純情な青年ネモリーノは、『トリスタンとイゾルデ』を皆に読みきかせる彼女に想いを募らせる。きざな連隊隊長ベルコーレがアディーナに熱烈なアタックを開始したことを知ったネモリーノは、薬売りのドゥルカマーラから、これを飲めば相手も自分を恋するようになるという「愛の妙薬」を手に入れるが・・・。

「愛の妙薬」が取り持つ、インテリお嬢様と純情青年の恋のゆくえは?〈人知れぬ涙〉などの名アリアでも知られるドニゼッティの傑作ラブコメディが、A・ネトレプコ、M・ポレンザーニ、M・クヴィエチェンのゴールデン・トリオで登場!ヒット作を連発するB・シャーのおしゃれな舞台で、人気絶頂のスター・ソプラノ、ネトレプコのチャームが花開く!イタリアの名バリトン、A・マエストリのいかさま薬売りにも注目!

この演目は昨年発表会で冒頭の二重唱を歌ったため、当時いろんなメディアで何度も観ました。なのであらすじも曲も結構入っています。

いわゆる「悲劇」ではなく、ハッピーエンドのコメディ。曲はどれも美しく楽しいオペラです。

アディーナ役のネトレプコは私でも知っているくらい有名なソプラノですが、主役ネモリーノのマシュー・ポレンザーニは初めて。私は名前も知りませんでした。

が、このポレンザーニがすっごい美声で、何曲かあるアリアはどれも惚れ惚れしてしまいました。特に有名な「人知れぬ涙」は圧巻でしたね。

百聞は一見にしかず。先行映像でその「人知れぬ涙(1コーラスのみ)」がYouTubeにありましたのでどうぞ。

さて、自分たちが歌った二重唱、あれだけ覚えたのに結構歌詞を忘れてて、自分の記憶力のなさにショックを受けたのですが、それでも歌いこんだことのある部分なので、細かい譜割りの違いなどがわかって面白かったです。

「愛の妙薬」は大きな役も少ないですし、主役がしっかりしていれば舞台が成立してしまうという意味でハズレの少ないオペラだと思います。(もちろん「通」の方にはいろいろ別の見方かあると思いますが。)

METのオペラとしては短めの、休憩込みで2時間50分。楽しませていただきました。